会社設立にあたり
- 和也 高野
- 10月12日
- 読了時間: 4分
私たちが住んでいる地球上にはさまざまな地球規模課題が存在しています。例えば気候変動、温暖化などが挙げられます。これを解決するためには持続可能な開発目標(SDGs)の達成はなんとしても成し遂げなければならない人類の責務であると考えます。
SDGs達成のためのすべての活動は、誰が見ても有意義であり価値ある行動だと言えます。この価値を「意味価値」と呼ぶことにします。一方、企業活動によって私たちに直接提供される製品やサービスに価値があるのは明白です。この価値を「経済価値」と呼びます。
「経済価値」をどんどん高めていく。これがこれまでの資本主義の根幹でした。しかし、さまざまな地球規模課題に直面している現在、「意味価値」に注目し、これを創出している企業が出始めています。温暖化対策を例に上げると欧州のCSRDや日本のTCFDがこれに該当します。
私たちはこの「意味価値」を創出する活動家や組織に対して、その活動に見合うだけの「経済価値」を提供する仕組みを作りたいと考えました。その鍵を握るのがWeb3.0です。
Web3.0とその可能性
Web3.0は「分散型インターネット」と呼ばれる、新しい形のインターネットです。
Web3.0
従来のインターネット(Web1.0、Web2.0)は、企業やサービスが一元的に個人情報やデータを管理していましたが、Web3.0はそれらをブロックチェーン技術を使って分散管理します。その結果、特定の企業や管理者を介さず、個人同士が直接やり取りできる仕組みになっています。 ※Web3.0には複数の解釈がありますが、本稿ではブロックチェーン技術を基盤とした分散型インターネットとしてのWeb3.0を指します。
主な特徴
分散型(非中央集権型):データや情報の管理が特定の企業ではなく、ネットワーク上の参加者によって共同管理されます。
セキュリティや透明性の向上:ブロックチェーンにより、データの改ざんが難しく、誰でも取引や記録を検証できるため安全性が高まる可能性があります。
個人が主役:利用者自身がデータやコンテンツの所有権・管理権を持つことができ、サービスの利用や取引で仲介業者が不要になります。
自律性:Web3.0はスマートコントラクトと呼ばれるプログラムによりネットワークやサービスが自動的に、且つ独立して動くことができ、中央集権的に管理されることなく、運営されます。参加者はルールに基づいて自律的に意思決定や運営を行うこともできます(分散型自律組織[DAO])。
※ブロックチェーンは改ざん耐性が高く、透明性を高めますが、プライバシー保護とは別の課題です。適切な設計が必要です。
※理論上は仲介なしで取引可能ですが、実際にはウォレット事業者や法的枠組みとの接続が必要なケースもあります。
※DAOは新しい運営形態として注目されていますが、多くの国で法的な位置づけが確立されていないため、実装には法規制の確認が必要です。
「意味価値」への応用
例えば、ある課題により被害を被っている人とそれを解決しようと取り組んでいる人がいたとします。この課題を解決するためにDAOを形成し、課題解決に向けたプロセスを決め、支払う報酬を含めたルールづくりをします。このルールに基づき、解決組は課題解決に取り組んだ活動をDAOに報告します。被害を被っている側がそれを評価し、報酬を支払います。
従来であれば、組織を形成し銀行などの金融機関がなければ実現できませんが、
Web3.0が社会に広く普及した将来には、このような枠組みで課題を解決していくことができるのです。
さいごに
私たちは、経済価値の追求だけでは解決できない課題があることを理解しています。だからこそ、「意味価値」を経済の中心に据え、その創出と循環を加速させる仕組みをつくることに挑戦します。
テクノロジー、とりわけWeb3.0がもたらす新しい仕組みを活かし、課題解決に取り組む人々が正しく報われる社会をつくる。その第一歩として、私たちはこの会社を設立しました。
未来の社会は、ほんの一握りの力ある組織がつくるものではなく、一人ひとりの「意味ある行動」の積み重ねによってかたちづくられると信じています。私たちは、その「意味価値」を見える化し、持続可能なかたちで世界へと広げていきます。

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